以前は看護業界と言えば、女性の世界でした。今のように「看護師」ではなく、「看護婦」という呼び方が一般的だったことからもそれが窺い知れます。2000年代に入ってから、日本は長い不況が続いています。そのため、専門学校に通って国家試験に合格をすればなることのできる看護師という仕事は、女性だけではなく男性にとっても非常に魅力的な職業へと変化していきました。ちょうどこの頃から、サラリーマンの年収の伸びが停滞し始めます。以前は年収300万円と言えば馬鹿にされるレベルでしたが、今では多くの若い世代がそれ以下の報酬で仕事をしているのです。
その中で看護師の仕事に就いた人は、残業や夜勤、ボーナスも含めれば年収が五百万円以上になることもあります。高収入な部類に属する仕事になって、男性の数も増えてきたわけです。アメリカを始めとする海外では、男性看護師の数は昔から多かったので、ようやく日本も世界レベルに達したという見方をする人もいます。男性は女性よりも長く仕事場にいる傾向が強いです。結婚をして仕事を辞める人が少ないのがその原因でしょう。安定的な医療制度を維持していくためには、このように男性看護師の力が強く求められています。
医療業界の人手不足を解消するためには、男性や高齢の方の業界入りを推進させていくことが重要になります。一部のNPOにおいては、ニートや引きこもりの人を看護学校に通わせて、資格を取得させるプロジェクトなども立ち上がっているのです。